福島県は、東北地方のなかで首都圏から最も近いにも関わらず、山地が多く自然豊かな県です。シンボルである活火山の磐梯山や、国内で3番目の面積を誇る猪苗代湖、雄大な景色が広がるふくしま尾瀬など、多様な自然が広がります。
一方、東日本大震災により、沿岸部に住む住民の多くが避難を余儀なくされ、県外へ出ていく人が跡を絶ちませんでした。2022年10月時点の都道府県別人口推計では、福島県は47都道府県中5番目の人口減少率となっています。
人口減少を食い止めるため、福島県は多くの移住支援対策を打ち出しましたが実施されています。他県には無い移住支援の充実ぶりに、注目を集めていまするようになりました。また、コロナ渦でリモートワークが広がったため、新幹線や高速バスでアクセス可能な福島県は、移住先として近年人気が高まっています。
今回は、福島県への移住を検討している人向けに、移住支援制度や利用時の注意点について解説します。
福島県の手厚い移住支援
「福島県の移住支援は、どんな種類があるの?どんな人が使えるの?」とお悩みの人も多いでしょう。今回は、そんな人におすすめの移住支援制度を紹介します。移住にはお金がかかるので、利用可能な制度を使って、少しでも負担を減らすようにしましょう。
最大100万円!ふくしま移住支援金給付事業
福島県内へのUIJターンを促進するため、東京圏から福島県に移住し、福島県内で就業又は起業、あるいは移住元での仕事をテレワークで続けようとする人に対して、支援金が交付されます。
交付金額は、世帯の場合は1世帯につき100万円、単身の場合は1人につき60万円です。
交付対象者は、移住等に関する要件と、就業する場合は就業に関する要件を、起業する場合は起業に関する要件、テレワーカーの場合はテレワーカーの場合の要件を満たす必要があります。さらに、福島県内の各市町村の関係人口と認められた人も対象になります。
詳しい要件は福島県ホームページをご確認ください。
ふくしま移住支援金給付事業のお知らせ
最大200万円!福島県12市町村移住支援金
福島県で、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示等の対象となった12市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)において、県外からの新たな移住者を呼び込み復興を図るため、対象者に対し移住支援金が交付されます。
交付金額は、世帯の場合は1世帯につき最大200万円、単身の場合は1人につき最大120万円です。さらに、18歳未満の世帯員1人につき最大100万円が交付金額に加算されます。
詳しい要件は福島県ホームページをご確認ください。
福島県12市町村移住支援金のお知らせ
移住先の下見に使える!ふくしま移住希望者支援交通費補助金
福島県に移住(Uターン、Iターン、多拠点居住等)を考えている方が、実際に福島県内を訪れ、移住する際に必要な現地調査や現地活動(生活環境、事業実施可能性などの相談や調査、住まい探し等)を行った場合に、その交通費の全部あるいは一部が補助されます。
対象になるには、移住を検討している市町村の移住相談窓口や福島県移住コーディネーター、現地の民間事業者等(企業や不動産事業者、先輩移住者等)への訪問が必須です。
また、出発の10営業日前までに予定を記入した現地計画兼報告書の提出や、出発の5日前までに移住推進員との面談が必要です。
詳しい要件は福島県ホームページをご確認ください。
ふくしま移住希望者支援交通費補助金
二地域居住でも使える!ふくしまぐらし。×テレワーク支援補助金
福島県への移住や二地域居住などを希望している県外在住者に対し、福島県内に一定期間滞在し、コワーキングスペースなどでテレワークを行うとともに、地域との交流を通して生活環境を体験していただいた場合に、かかった費用の一部が補助されます。
対象者は、福島県外在住の雇用者や個人事業主などで、福島県への移住や二地域居住を希望する人、継続的な関係づくりを希望する人です。
1〜3ヶ月間滞在する必要がある「ふくしま“ロング・テレワーク”体験コース(長期コース)」と、短期間(2泊3日から5泊6日まで)の「ふくしま“ショート・テレワーク”体験コース(短期コース)」の2コースがあります。
対象経費は本県に滞在している間の宿泊費(飲食代は除く)や交通費、コワーキングスペース等の施設利用料、レンタカー代の合計額です。補助対象経費の4分の3が補助されます。補助上限額は、長期コースは1人あたり30万円、短期コースは1人あたり1万円(1泊につき)です。
交付を受けるには、一定日数以上のテレワークや、地域交流の実施と結果報告、SNS等で県内のテレワーク環境や地域の情報の発信等が必要です。出発日の10日前までに申請書類を県に提出し、出発日より前に県から交付決定通知書を受け取る必要がありますので、ご注意ください。
詳しい要件は福島県ホームページをご確認ください。
ふくしまぐらし。×テレワーク支援補助金の募集について
お得な空き家暮らしをするなら!「住んでふくしま」空き家対策総合支援事業
福島県では、県内に定住するための空き家改修等に、補助金最大250万円が交付されます。空き家バンクに3ヶ月以上登録されている建物や、3か月以上居住等で使用されていない建物が対象です。空き家の改修費用の他にも、清掃費用も補助対象経費になります。
補助対象者は、被災者や避難者、移住者、二地域居住者、子育て世帯、新婚世帯等です。
補助基礎額は、改修が補助対象経費の2分の1以内かつ最大150万円(二地域居住者は、最大80万円)、清掃が補助対象経費の10分の10以内かつ最大30万円です。予算枠に達し次第、募集終了します。
詳しい要件は福島県ホームページをご確認ください。
「住んでふくしま」空き家対策総合支援事業
市町村による住宅取得補助に最大100万円をプラス!来て ふくしま 住宅支援事業
県外から県内に移住・定住するための住宅取得に、かかった経費の一部が補助されます。住宅取得(新築・購入(中古含む))に要した経費が対象です。
対象者は、自ら居住するために補助対象住宅を取得される人、県外から県内に移住し住民票を異動される人、市町村の補助事業等において県外から県内に住所を移したと認められる人、補助対象住宅に移住後に3年以上定住する人です。
補助額は市町村によって異なります。利用したい人は、移住候補の市町村のホームページをご確認ください。下記福島県ホームページに、各市町村の住宅支援事業に関するリンクが掲載されています。
詳しい要件は福島県ホームページをご確認ください。
来て ふくしま 住宅支援事業
移住支援を受ける際の注意点
移住支援制度への申請には、提出物があったり、申請期限があったりするので、必ずしも支援を受けられるとは限りません。支援を受けるためにも、事前に注意点について確認しておきましょう。
支援を受けるためには条件を達成する必要がある
移住支援を受けるためには、各支援の要件を満たす必要があります。事前に書類の提出が必要な制度もあるでしょう。また、支援を受けた後は、その市町村に数年間定住が必要な場合もあります。定住が必要な期間内に転出した場合は、補助金の返還を求められる可能性もあるので注意しましょう。
人によっては支援金の金額が少なくなることがある
支援制度の多くには、補助率や上限金額があります。経費の一部しか対象にならないことも多いので、自己負担金も必要です。支援金頼みになって、赤字にならないように気をつけましょう。また、補助対象者の要件も詳しく決められています。支援対象になるか事前に問い合わせしてみることをおすすめします。
予算がなくなり次第終了してしまうため早めに申請する必要がある
補助金は予算が無くなり次第、募集期間内でも終了してしまう可能性もあります。また、必要な書類を取りに行くのに役所に行くなど、準備に時間がかかるものもあります。時間に余裕を持って申請手続きをしましょう。
移住支援制度を知ってお得に福島県移住を検討しよう
福島県は、移住支援制度が充実していることと首都圏への近さから、注目を集めるようになりました。
また福島県は、海と山があるロケーションの良さや、魚介類や米などの食の豊かさがあります。一方、都市部と比べて利便性が優れず、買い物やお出かけには自家用車があった方が便利など、都会での生活と比較すると、不便に感じることも多いでしょう。
ですが、移住支援制度も利用すれば、余ったお金で余暇の楽しみに充てることが可能です。
休日は温泉に入ったり、アウトドアやレジャースポーツを楽しんだり、首都圏で生活していた時よりも充実した生活が送れることでしょう。
「福島県への移住を検討中だけど、どこのエリアが良いか分からない!」という人もいるでしょう。そんな人のために、福島県への移住におすすめのエリアをまとめている記事も、当サイト内にあります。こちらも読んでみて、福島県への移住を検討してみてはいかがでしょうか。
※内容は2023年5月執筆時のものです