日本海に面し、本州のほぼ中央に位置する福井県は、オタマジャクシのような独特の形が印象的な県です。
47都道府県の中では決して知名度が高いとは言えない福井県ですが、「越山若水(えつざんじゃくすい)」と称される美しく豊かな自然、歴史的文化財や伝統工芸、新鮮な魚介類をはじめとする絶品グルメなど、そのポテンシャルは侮れません。
近年では、日本総合研究所発表の「全47都道府県幸福度ランキング」で2014年以降5回連続総合1位を受賞し、「幸福度ナンバーワンの県」としても知られるようになりました。
幸福度が日本一に輝いた背景には、主に次の2点が挙げられます。
1.一定の雇用環境があり、共働き率も高いため、経済的に安定している
2.子どもが親や祖父母に見守られながら勉強や運動に打ち込める環境がある
このような環境が優秀な人材を育て、将来的に福井県を支えるという好循環が、福井県を幸福度日本一にしているといわれています。
(「全47都道府県幸福度ランキングで総合1位を獲得」で詳しく解説)
そんな生活環境や子育て環境が抜群の福井県は、近年注目を集めている人気の移住先です。
今回は、福井県に移住するにあたってのメリットやデメリットの他、住みやすいエリア、受けられる支援などを詳しく見ていきましょう。
2022年度の「新ふくい人」は集計開始の2007年以降で過去最多に

近年、子育て世代を中心に、福井県へ移住する人が増加しています。どんな人・どれぐらいの人が移住しているのかを分析してみましょう。
参照:中日新聞
関東からの「新ふくい人」が最多に
福井県では、県や市町の支援を受けた移住者の数を「新ふくい人」として集計しています。
2022年度の福井県への移住者は1,229人で、これは集計開始時の2007年以降で最多です。
中でも、関東からの移住者が430人と最も多く、次いで関西の370人、中京圏の162人となっています。
また、全体の約6割を占めるのが子育て世代にあたる20代と30代です。
移住者はUターンよりIターンの割合が多い
U・Iターン別に見ると、Iターン世帯が全体の64%を占めていることが明らかになりました。常にUターン世帯の方が多かった2年前の2020年度までと比較し、2021年度からはIターン世帯の割合が増加しています。
福井県が県外から注目され出した事実がよくわかりますね。
「新ふくい人」1,000人超えは3年連続
福井県への移住者は年々増加傾向にありますが、1,000人超えは3年連続です。
コロナ禍による地方移住ニーズの増加に加え、福井県の子育て環境の良さや住みやすさが評価を得ていると考えられます。
福井県の魅力3選

全国的にマイナーなイメージの強い福井県ですが、実は魅力が豊富に詰まった県でもあります。福井県の知られざる魅力を3点見ていきましょう!
魅力的な観光スポットや景勝地がある
有名どころの「恐竜博物館」や「東尋坊」以外にも、福井県には魅力的な観光地・景勝地が豊富に存在することは知っていますか?
ものづくり県・福井には、世界や国内でシェアの上位を占める製品や、匠の技が光る伝統工芸品が数多く存在します。
そのため、「めがねミュージアム」、「越前和紙の里」、「箸のふるさと館WAKASA」など、工房見学や体験ができるスポットが満載です。
歴史的建造物としては、城下町の街並みがほぼ完全な状態で残る「一乗谷朝倉氏遺跡」、曹洞宗の大本山・「永平寺」、松尾芭蕉ゆかりの「氣比(けひ)神宮」などが有名で、歴史ロマンにどっぷり浸れます。
また、「越山若水(えつざんじゃくすい)」の名の通り(下記で解説)、自然によって造られた景勝地が多いのも福井県の特徴です。
特に、リアス式海岸を有する若狭湾国定公園をドライブすれば、息を呑む絶景が待っています。
万葉集で詠われ、ラムサール条約にも登録されている「三方五湖(みかたごこ)」と、その絶景を一望できる「レインボーライン山頂公園」、波の侵食によって削られた奇岩が印象的な「蘇洞門(そとも)」や「明鏡洞(めいきょうどう)」、透き通る青い海が自慢の「水晶浜」や「若狭和田ビーチ」など、その魅力は挙げればキリがありません。
観光地としてはマイナーな福井県ですが、実は一見する価値のあるスポットが目白押しです。移住後にはぜひ観光地巡りをしてみてください!
※【「越山若水」とは?】
福井県の美しい自然を言い表した四字熟語。
県北部・越前(えちぜん)地方の豊かな山々と、南部・若狭(わかさ)地方の美しい若狭湾と名水を指している。
新鮮な魚介類や絶品グルメが楽しめる
自然が豊かで水がきれいなことから、福井県には新鮮な魚介類や名物グルメが溢れています。
中でも、日本海や若狭湾で水揚げされた鯖、ホタルイカ、カレイ、甘エビをはじめとする海の幸は絶品です。
県内のスーパーには、水揚げされたばかりの新鮮な魚介類が常に並び、その品揃えは高級スーパーに勝るとも劣りません。
冬には福井が誇る「越前ガニ」や「若狭ふぐ」などのブランド魚も楽しめます。
また、「越前そば」、「ソースかつ丼」、「焼き鯖寿司」、冬に食べる「水ようかん」など、ご当地グルメも豊富です。
鮮度の高い海鮮や独特の食文化を味わえるのは、福井県に移住する醍醐味とも言えます。
全47都道府県幸福度ランキングで総合1位を獲得
日本総合研究所発表の「全47都道府県幸福度ランキング」で2014年以降5回連続総合1位を受賞した福井県は、「幸福度ナンバーワンの県」として近年注目されている県です。
福井県にはものづくり企業が多いことから、有効求人倍率・女性の就業率が全国1位となっており、働く環境の良さは全国でもトップレベルで経済的にも安定しています。
また、持ち家率が高く、広い家も多いので、2世帯・3世帯で暮らしている家庭が多いのも特徴です。
子どもが両親や祖父母に見守られながら勉強や部活動に打ち込める環境があるため、学力・体力の高さにも繋がっています。福井県の子どもの学力テスト・体力テストの結果が例年全国トップクラスであるというニュースを耳にしたことがあるのではないでしょうか?
さらに、子育て・教育環境が整っている点もポイントです。
待機児童がゼロであることに加え、「子育てしやすい働き方応援」プロジェクト、「子育て大好きお父さん支援」プロジェクト、「子育てファミリー応援企業」などの子育て支援も充実しており、安心して子育てができます。
子育て世代の移住者が増加しているのにも頷けますね。
参照:福井県 幸福度日本一ふくい/福井県 子育て・少子化・青少年
福井県に移住する際のデメリット3選

幸福度ナンバーワンの福井県ですが、やはり住みにくいと感じる部分もあります。ここでは、福井県に移住するデメリットを3点解説します。
冬は雪の積もる日が続く
福井県と聞いて、雪国のイメージを思い浮かべる人は多いでしょう。
近年では暖冬の影響で積雪量は減少傾向にありますが、それでも例年20~50㎝ほどの積雪が見られます。
参照:福井新聞
中でも、山間部の奥越地域(大野市、勝山市など)は、他地域に比べ気温が低く、特別豪雪地帯にも指定されているほどです。
また、日本海に面していることから湿度が高く、水分を多く含んだ雪が降るため歩きづらいという特徴もあります。
福井県は車社会であるため、雪道の運転や除雪に慣れていない人には苦痛に感じるかもしれません。
しかし、雪に慣れているため、公共交通機関の積雪への対応は早く、都会のように運休になることが少ないのはメリットでもあります。
加えて、南部の嶺南(れいなん)地方の積雪量は北部の嶺北(れいほく)地方と比較すると多くありません。
交通の便が悪い
交通の便が悪く、どこへ行くにも時間がかかるのが福井県最大のネックと言えます。
公共交通機関は本数が少なく、通勤時間帯を除いて1時間に1本あるかないか、というレベルです。
また、新幹線の駅や空港が近くにないため、旅行などで県外に出にくいのも難点です。
福井駅から東京までは、特急と新幹線を乗り継いで約3時間半かかります。海外へ行くにも、県外の空港を利用しなければならないことから、海外旅行がしづらいと感じるでしょう。
福井県での生活には車が必要不可欠だと心得ておいてください。
ただし、関西方面には比較的出やすく、大阪までは特急や新快速の利用で福井駅から2時間、敦賀(つるが)駅からでは1時間半ほどで行けるようになっています。
商業施設が少なく買い物に不便
福井県に来たばかりの人は、ショッピングモールや娯楽施設が少ないことに不便さを感じるかもしれません。
福井市には「フェアモール福井」、「ショッピングシティ・ベル」、「パリオシティ」などの商業施設がありますが、規模が小さいのが難点です。
また、福井市以外の市町には目立った商業施設がないため、これらの施設を訪れるためには車で何時間もかけなければなりません。
ファッションや流行に敏感な人には物足りなく感じることでしょう。
どのみち遠出をするのなら、金沢や京都、大阪、名古屋など県外へ出てしまう方がおすすめです。
福井県移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス

移住者が増加している福井県には、実際にどのような移住支援があるのでしょうか?移住前に知っておくと必ず役立ちますよ!
子どもがいると最大100万円以上もらえる!移住支援金(東京圏型)
東京圏から福井県に移住し、移住支援金対象企業に就職した人に、世帯100万円、単身60万円の移住支援金が支給される制度です。
18歳未満の子ども帯同の場合は、子ども1人につき30万円、最大で100万円が加算されることもあるので、転入先市町で確認するようにしましょう。
移住先の下見で利用できる!交通費支援制度
移住に向けての就職活動や住居探しなど、福井県への移住を前提とした活動でかかる移動費の一部が支給される制度です。
対象者の現住所によって異なる支援額や、対象となる現地活動の詳細などは下記のリンクから参照できるので、ぜひチェックしてみましょう。
県内お試しテレワーク利用支援制度
福井県外に居住し就業している人が、所定の期間福井県内に滞在し、県内のコワーキングスペース等で「お試しテレワーク」を実施する場合、交通費と滞在費が支給される制度です。
「お試しテレワーク」実施期間が10日以上あり、かつ、県内滞在日数がその3分の2以上あることなど、支援を受けるにはさまざまな条件が必要なので、事前に確認しておきましょう。
福井県移住でおすすめのエリア3選

福井県は17の市町で構成されており、エリアごとに異なる文化や風習があります。ぜひお気に入りのエリアを探して移住してみてください!
歴史的建造物や文化施設が豊富!福井県の中心都市「福井市」
便利さを求めるなら、行政・商業機能の中核を担う福井市がおすすめです。
福井駅周辺にはスーパーやドラッグストア、ショッピングモールなどが集中し、買い物がしやすくなっています。
金沢や名古屋、京都・大阪などの近隣都市へのアクセスも良好なため、休日のお出かけにも便利です。
また、「一乗谷朝倉氏遺跡」、「福井城址」などの歴史的建造物や美術館、学校も多く、落ち着いた暮らしが望めます。
マリンスポーツを楽しめる!海産物も有名な「敦賀市」
福井県のほぼ中央に位置する敦賀市は、日本海に面した風光明媚な港町です。
海産物が豊富に獲れ、古くから昆布やかまぼこなどの水産加工業で発展してきました。
福井の海鮮を楽しみたいなら、日本海側最大級の海鮮市場・「日本海さかな街」に足を運んでみましょう。漁港から直送された新鮮な魚介類がずらりと並び、越前がにや焼き鯖といった、福井県ならではの特産品も購入できます。
また、敦賀や敦賀以西の若狭地方には海水浴場が点在しており、夏には海水浴やシュノーケリングなどを思う存分楽しめます。
「北陸のハワイ」と呼ばれる無人島・「水島」、アジア初のブルーフラッグを認証した「若狭和田ビーチ」、青い海と白い砂浜が美しい「水晶浜」などが代表的ですが、それ以外のどの海水浴場でも透明度抜群の海が楽しめるので、県外からの観光客に大人気です。
敦賀を拠点にビーチ巡りをして、お気に入りのスポットを見つけてみてはいかがでしょうか?
子ども1人につき移住支援金100万円を加算!子育てするなら「あわら市」
福井県の最北端に位置するあわら市は、のどかな田園風景と県内屈指の温泉地・「あわら温泉」で有名な町です。
北部には日本海と北潟(きたがた)湖、東部にはハウスや果樹園が点在する広大な丘陵地、南西部には田園風景が広がり、常に豊かな自然が体感できます。
また、あわら市は生活や子育てがしやすいとも好評です。
東京圏からあわら市へ移住すると、単身で60万円、2人以上での世帯で100万円の支援金に加え、18歳未満の子ども1人につき100万円が加算して支給されます。
教育機関や医療施設も多く、子育ての相談窓口や病後児保育などのサポート体制も充実しているため、のびのびとした環境で安心して子育てをしたい人は、あわら市への移住はいかがでしょうか?
福井県の魅力を知って移住を検討しよう

観光スポットが多く、きれいな海も新鮮で美味しい海鮮も心ゆくまで楽しめるのが、福井県の魅力です。
バラエティ豊かな移住支援制度も揃っており、移住者がすぐに福井県の生活に馴染めるようになっています。
福井県に移住して、あなたも「幸福度ナンバーワン」を体感してみませんか?
※内容は2023年5月執筆時のものです。



