若者世代や単身者にとって、暮らしやすい移住先はどこでしょうか？家族を帯同する子育て世代などの移住とちがい、若者や単身者の移住の場合は、少し別の視点が必要となるため注意が必要です。
今回は、宝島社の月刊誌『田舎暮らしの本』2025年2月号「2025年版住みたい田舎ベストランキング」から、「人口別ランキング」の「若者世代・単身者部門」で、全国1位となった移住先を7つすべて紹介します！移住で失敗しない重要なポイントも解説しているので、そちらもあわせてぜひ参考にしてみてください！
若者世代・単身者の移住で失敗しないポイント3選！
最初に、若者や単身者が移住で失敗しないポイントを3つに絞り解説します！移住の際にこれらを軽視してしまうと、失敗のリスクがかなり高まるので注意が必要です。1つずつ見ていきましょう。
移住後の収入と家計のバランスを見極める
まず、移住後の収入と家計のバランスの見極めはもっとも重要なポイントといえます。地方は都市部と比較して物価や家賃が安いものの、同時に収入も大きく下がる傾向が顕著です。水光熱費も同様で、ガス料金は「都市ガス」か「プロパンガス」かによって料金が2倍またはそれ以上ちがい、プロパンガスのほうが高くなります。水道料金も自治体によって料金の幅がかなり広く、移住前にリサーチしておかなければ思わぬ出費に悩まされることでしょう。
また、日常の足として車の所有が不可欠となり、維持費も考慮しておかなければなりません。日々のガソリン代とともに月極駐車場代、車検費用も必要です。寒い地域であれば冬の暖房費などもかさむことが考えられます。
理想とする移住生活を実現・維持するためには、「何にどれくらいお金が必要か？」といった念入りなシミュレーションは不可欠で、過度に楽観せず現実的な視点をもつことが、移住を失敗しないために重要といえるのです。
移住体験や短期移住などを通じ現地の状況をしっかり把握する
移住体験または短期移住などを通じ、現地の状況をしっかり把握したうえで移住することも、移住を失敗しないために重要なポイントです。
多くの自治体が実施している「お試し移住」を活用することで、現地スタッフが街を案内してくれたり、住民とのコミュニケーションの場を設けてくれたりすることがあります。若い世代や単身者は地域とのつながりが希薄になりやすいため、地域の方との交流の場を設けてくれることは重要です。移住失敗のリスクを下げたいのであれば、ぜひ「お試し移住」を活用しましょう。
逆に危険なのは、旅行に訪れただけで現地を気に入り、そのまま移住してしまうことです。当然ではありますが、旅行で感じられる非日常的な景色と、実際の暮らしを営む日常の景色では大きな乖離があります。旅行をきっかけに気に入った街であっても、改めて現地を訪れるようにしましょう。
車の運転に不慣れな場合は運転できるようにしておく
東京や大阪などの大都会で暮らしていると、車は必ずしも必要ではなく維持費もかかるので、ペーパードライバーの方も多くいるかと思います。一方で、地方は公共交通機関が脆弱なため、生活するうえで車の運転は必須条件です。
大げさではなく、車がなければ暮らし自体が成り立たないという認識をもつほうがよいでしょう。地方では職場への通勤はもちろん、スーパーでの日常の買い物やコンビニなども車で出かけます。良し悪しは別として、それくらい車に依存せざるをえないのが現状といえるのです。
そのため、車の運転に不慣れな方は、移住前にペーパードライバー講習などを通じ、あらかじめ運転できるようにしておきましょう。移住後に運転の練習をしようとすると、見知らぬ土地で助けてもらえる人もおらず、そもそも教習所があるかどうかもわかりません。あくまで「移住前に運転できるようにしておく」ことが基本です。
参照：
【住みたい田舎ランキングまとめ】「若者世代・単身者部門」1位の移住先7選！
それでは、宝島社の月刊誌『田舎暮らしの本』「2025年版住みたい田舎ランキング」より、「人口別ランキング」における、若者世代・単身者部門全国1位の移住先を7つすべて紹介します！若者や単身者にとって抜群の環境であるこれらの移住先のなかから、ぜひあなたのお気に入りを見つけてみてください！
【山梨県丹波山村】地域おこし協力隊が大活躍の移住先！
「人口5000人未満のまちランキング」若者世代・単身者部門全国1位に輝いた、人口約500人の山梨県丹波山村（たばやまむら）は、「丹波山村親子山村留学」によって若いファミリー世代の移住者が増え続けている注目の移住先です。一方で、若者世代を中心とした地域おこし協力隊による活動も活発で、20代の移住者が多数活躍しています。
地域おこし協力隊の任期を終えた後も村へ定住する若者が多く、NPO法人を立ち上げたり飲食店を開業したりするなど、近年ではプラスの循環が生まれているようです。人口約500人という小さな村で、若い移住者による地域活動が盛んであることは、人口減少に悩む過疎地域において素晴らしいモデルケースとなるでしょう。山と川の自然豊かな山梨県丹波山村で、ぜひあなたも地域活性化に一役買ってみてはいかがでしょうか？
参考：
【長野県木曽町】真夏も涼しく暮らしやすい中央アルプスの移住先！
「人口5000人以上1万人未満のまちランキング」若者世代・単身者部門全国1位に輝いた長野県木曽町（きそまち）は、中央アルプスの雄大な自然が魅力の移住先です。「日本でもっとも美しい村連合」にも選ばれた農村風景と、夏も涼しい開田（かいだ）高原など、素敵な「山移住」が実現できるでしょう。
コワーキングスペースとシェアキッチンを備えた「ふらっと木曽」が人気で、若い世代を中心に起業・開業を目指す人が集まり、さまざまなイベントもおこなわれています。また、木曽ヒノキの産地として「木育」を取り入れた独自の子育て支援を実施するなど，うまく地域資源を活用しながら積極的に移住者を誘致しているため，今後の取り組みにも期待大といえそうです。移住先として大人気の長野県において，木曽町での暮らしはちょっとした刺激を与えてくれるかもしれませんね。
参考：
【大分県豊後高田市】最強移住地は若者・単身者にも大人気！
「人口1万人以上3万人未満のまちランキング」若者世代・単身者部門全国1位は、その圧倒的な移住支援から「最強移住地」の呼び声も高い、大分県豊後高田市（ぶんごたかだし）が今年も選ばれました。
国東半島（くにさきはんとう）西部に位置する大分県豊後高田市は、海・山・温泉と充実した自然環境に加え、2024年度は子育て支援を中心に186項目の移住支援を実施してきました。他の追随を許さない圧倒的支援は、すべての世代の移住者に多大な恩恵を与えてくれます。どのようなライフスタイルやライフステージの方も移住支援を活用できるため、ぜひ大分県豊後高田市をチェックしてみてください。
参考：
【島根県雲南市】若者のチャレンジを全面バックアップ！
「人口3万人以上5万人未満のまちランキング」若者世代・単身者部門全国1位に選ばれた島根県雲南市（うんなんし）は、「日本一チャレンジしやすいまち」として、若者を全面支援していることが評価されました。豊富な森林資源を背景に、日本古来の「たたら製鉄」が話題を呼び、「ヤマタノオロチ伝説」が伝わる神話のまちとしても有名です。
島根県雲南市が実施する「雲南ソーシャルチャレンジ」は、「子ども・若者・大人・企業」の4者が地域課題の解決に向けてチャレンジを連鎖させ、持続可能なまちづくりを目指す画期的な取り組みとして注目を集めています。そのうちの1つ「若者チャレンジ」では、起業家の育成やデジタルスキルの習得など、若い世代のチャレンジを全面バックアップしていることが特徴です。人口減少や高齢化などといった地域課題の解決に興味がある方にとって、島根県雲南市は大活躍できる可能性を秘めた移住先といえるでしょう。
参考：
【長野県飯田市】南アルプスの絶景が魅力のリニア新幹線予定地！
「人口5万人以上10万人未満のまちランキング」若者世代・単身者部門全国1位は、長野県飯田市（いいだし）が選ばれました。南アルプスと天竜川が流れる豊かな自然とともに、市街地が発展しているため抜群の暮らしやすさが魅力です。また、将来のリニア新幹線停車駅の予定地でもあることから、今後がかなり楽しみな移住先といえるかもしれません。
長野県飯田市は、「関係人口の創出」に力を入れており、市と関わりをもってくれる外部の方に対し積極的なアプローチをおこなっています。国の名勝である「天竜峡」をPRする「ねやねや天竜峡デジタル住民部」をはじめとする各種取り組みは、単に移住者の増加を目指すだけでなく、地域を知ってもらい深く関与してくれることで、地域課題の解決を模索する画期的な取り組みといえるでしょう。他の移住先とはちがった角度から街をPRする長野県飯田市も、若者や単身者にとってぜひおすすめです。
参考：
【愛媛県今治市】絶景のしまなみ海道でゆとりあるライフスタイル！
「人口10万人以上20万人未満のまちランキング」若者世代・単身者部門全国1位に選ばれた愛媛県今治市（いまばりし）は、世界的名所「しまなみ海道」を有する日本有数の海事都市として、近年かなり注目を集めている移住先です。
おだやかな瀬戸内海に面した造船のまちであり、「今治タオル」で有名な愛媛県今治市は、雇用も充実し市街地も発展しているので、若者や単身者にとって退屈しない暮らしが実現できます。また、広島県尾道市を結ぶ全長約60kmの「しまなみ海道」は、日本有数の絶景スポットであり、その景観を体験するために移住する人もいるくらいです。瀬戸内海に浮かぶ島々でのおだやかな田舎暮らしと、中心市街地での便利な暮らしの両方が可能で、多様なライフスタイルを実現できるのも、若者や単身者にとって人気の理由といえるでしょう。
参考：
【秋田県秋田市】都市環境と交通利便性・自然のバランスが絶妙！
「人口20万人以上のまちランキング」若者世代・単身者部門全国1位は、東北を代表する都市の1つ、秋田県秋田市（あきたし）です。人口約30万人の中核都市である秋田市は、県庁所在地として発展した市街地と、海と山の自然のバランス感が絶妙にマッチし、抜群の暮らしやすさが魅力といえるでしょう。都市生活を営みながら自然にも親しめる、多くの方にとって理想的な環境といえるかもしれません。
秋田市は現在、クリエイティブな取り組みを活発化させており、芸術文化を通じて若者を中心とした移住者獲得に力を入れています。映像制作を通じて夢にチャレンジできるプロジェクトをはじめ、若手クリエイターに対しさまざまな支援をおこなっていることが特徴です。2024年度には約70人の若者・単身者世代が移住し、今後さらに楽しみな移住先といえるでしょう。幅広い芸術分野にチャレンジしてみたいという方は、ぜひ移住を検討してみてください。
参考：
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若者・単身者に人気の移住先の魅力を知って移住を検討しよう
若者や単身者の移住は、家族を帯同する子育て世代などの移住とちがい、環境を変え、自己実現や新たなチャレンジがしたいなどといった動機が強い傾向がみられます。そのため、少しちがった視点から移住先をチェックする必要があるといえるでしょう。今回の記事を参考に、あなたにとって理想的な移住先が見つかれば幸いです。
若者・単身者に人気の移住先の魅力を知って、ぜひあなたも移住を検討しましょう！
※内容は2025年5月執筆時のものです。
