もし、雪が降らない地域の方が、雪がたくさん積もる豪雪地帯といった場所へ移住するのであれば、避けて通れないのが「雪かき」です。しかしながら、これまで雪かきを体験したことのない方にとって、作業の具体的なイメージを思い浮かべることは、決して簡単ではないでしょう。
「具体的にどのような道具が必要なのか?」とか「雪かきにかかる時間」、「毎日しなければならないの?」といった疑問が、きっと矢継ぎ早に生まれてくるはずです。
今回は、雪国への移住で欠かせない「雪かき」をしたことのない方向けに、その目的や作業時間・作業頻度、雪かきに必要な道具、絶対に知っておきたい注意点、さらには雪かきに関する補助金が充実したおすすめ移住先を紹介します!
この記事を読めば、雪国への移住に対するハードルが一気に下がり、「雪かきマスター」になれるかもしれません!本格的な冬の到来は目前です。雪かきへの理解を深め、美しい雪景色の移住生活を満喫しましょう!
「雪かき」とはどんな作業?はじめての方へわかりやすく解説

まずは、「雪かき」について、具体的にどのような作業なのかや、作業時間などを解説します!雪が降らない地域から、雪が積もる地域へ移住を検討中の方は必見です。ぜひご覧ください!
そもそも雪かきの目的とは?
「雪かき」とは、住宅や敷地・通路などに積もった雪を除去して、生活の安全性・通行の確保・建物の負担軽減などを目的におこなう作業です。雪が降る地域では、「玄関先が雪で埋まる」「駐車場が使えない」「歩道が滑りやすくなる」など、暮らしに影響が出るため、雪かきが日課となることがあります。
雪国への移住を検討している方にとって、日頃の「雪かき」は「やらなければならない」ものであり、避けては通れない作業といえるでしょう。もちろん大変な作業ではあるものの、さまざまな工夫を凝らすことで負担を激減させることは十分に可能です。あまりネガティブにならず、むしろ「雪国の風物詩」として楽しむくらいの気持ちで移住を検討してみてはいかがでしょうか?
よく聞く「雪かき」と「雪下ろし」の違い※雪下ろしの必要がない克雪住宅にも言及
「雪かき」という言葉とともに、「雪下ろし」という言葉もよく耳にします。両者の明確な違いはご存知でしょうか?「雪かき」は主に地上・敷地・通路・屋根以外の部分でおこなう雪の除去作業を指し、「雪下ろし」は住宅の屋根に積もった雪を下ろす作業を指します。
つまり、屋根の上に積もった雪を人手や機械などで落雪させるのが「雪下ろし」、玄関前や駐車スペースなど地上近くの雪を除去するのが「雪かき」です。雪かきも大変ですが、雪下ろしは屋根に登らなければならない場合も多く、場合によっては屋根からの落下の危険を伴うため、最新の注意が必要といえるでしょう。
ただし、最近では屋根の雪下ろしの必要を軽減・負担する「克雪住宅」が普及してきています。例えば、屋根の勾配を急にして自然落雪を促したり、融雪装置を設けて屋根の雪を溶かしたりする方法です。多大な負担や危険がある雪下ろしの必要性が最小限に抑えられる克雪住宅を選ぶことで、雪国移住へのハードルがグッと下がるのではないでしょうか?雪に慣れていない移住者の方は、ぜひ検討してみましょう。
雪かきに必要な作業時間と作業頻度
これまでまったく雪かきをしたことがない方にとって、実際の作業時間はどれくらいかかり、毎日おこなう必要があるのか、などといった作業頻度はかなり気になるところです。もちろんその地域の降雪量によって違いはあるものの、鳥取県の豪雪地帯である飯南町で過去に実施された年齢階層別の調査では、以下のような報告が挙げられています。
【除雪作業(雪かき・雪下ろし)の頻度】
| 高齢者群 | 中年群 | 若年群 | |
| 毎日おこなう | 60.3% | 60.7% | 39.1% |
| 2〜3日に1回 | 32.2% | 36.9% | 58.7% |
| 全くしない | 7.5% | 2.5% | 2.2% |
【作業時間(無回答を除く)】
| 高齢者群 | 中年群 | 若年群 | |
| 毎日おこなう | 54.3% | 45.1% | 54.3% |
| 2〜3日に1回 | 31.0% | 44.3% | 34.8% |
| 全くしない | 11.4% | 7.4% | 8.7% |
調査報告をみる限りでは毎日おこなう方が多いものの、若年郡では2~3日に1回ということがわかります。また、作業時間は30分程度がもっとも多い結果となりました。東北地方や北陸などの日本有数の豪雪地帯であればまた結果が違うかもしれませんが、雪かきに必要な作業時間や作業頻度をイメージできたのではないでしょうか?
「雪かき」に必要な道具とあると助かる便利グッズ

つづいて、「雪かき」に必要な道具と、あると助かる便利グッズを解説します!雪国への移住に興味がある方は、ぜひチェックしておきましょう!
雪かきをするうえで最低限必要なもの
雪かきをするうえでまず揃えておきたいものは、以下の通りです。費用もそれほどかからないため、雪かき初心者の方はまずこれらを揃えるところからはじめましょう。
- スノースコップまたはスノーショベル:軽量で雪をかき分けやすい形状のものを選ぶ
- スノーダンプ:大量の雪を押し出すために必要
- 滑り止め付き長靴・防寒手袋・防水性のある作業着:転倒や寒さ対策のため必要
まずは、上記3つを揃えることで必要最低限の雪かきが可能です。逆にいえば、これらがなければ雪かきはままなりません。雪国へ移住するのであれば本格的に雪が降ってくる前に、ぜひこれらの「雪かき3点セット」を揃えておきましょう。
あれば雪かきの作業効率がグッと上がるもの
次に、雪かきの負担を軽減し、作業効率を高めるためにあると助かるアイテムを紹介します!
- 屋根用雪下ろし棒:屋根の雪を落雪させるために有効
- 電動スノーショベル:ショベルの先に回転ブレードがあり雪を飛ばす
- 融雪マット:電熱式のマットを玄関先や駐車場などに敷くことで雪を溶かす効果アリ
これらは絶対に必要というわけではありませんが、あれば雪かきや雪下ろしの作業効率がグッと上がります。「屋根雪下ろし棒」は簡易的に屋根の雪を落とすものですが、地上から作業できるため屋根に登る必要性がなくなり、安全であることも魅力です。
「電動スノーショベル」は、ショベルに電動の回転ブレードが装着されており、雪を巻き込んで遠くへ飛ばしてくれるため、重い雪でも軽い力で持ち上げることができます。電動スノーショベルがあれば、作業効率が一気に上がりそうですね。
また、玄関先や駐車場の地面に「融雪マット」を敷くことで雪を溶かせるため、該当箇所の雪かきが必要なくなります。余裕があれば、ぜひ融雪マットも準備しておきましょう。ただし、融雪マットはサイズによるものの、電気代が月に10,000円ほどかかる場合もあるため注意が必要です。
雪かきが劇的に楽になるおすすめ便利グッズ
最後に、雪かきが劇的に楽になる超おすすめ便利グッズとして、「家庭用小型除雪機」を紹介します!家庭用小型除雪機は、手押し式のスノーダンプにタイヤとモーターがついており、ゆっくりと自走しながら大量の雪を押し出してくれる優れモノです。
家庭用小型除雪機があれば女性でも簡単かつ手軽に雪かきができ、日々の作業負担が一気に解消されるでしょう。導入のネックとしては、自走式小型除雪機自体の値段が高く、ほとんどの製品が10万円以上してしまうことです。しかしながら、日々の雪かきの負担が一気に解消されるための投資といえるかもしれません。ぜひ余裕があれば、家庭用小型除雪機の購入を検討しましょう!
トラブル回避!「雪かき」で絶対に知っておきたい注意点3選

ここからは、意外と知られていない「雪かき」にまつわる注意点を3つ紹介します!これらの「雪かきマナー」を知らずに雪かきをおこなうと、思わぬトラブルを引き起こしかねません。雪国へ移住する前に、絶対に覚えておきましょう!
雪を隣家や道路に押し出してしまうトラブル
雪かきをする際、除雪した大量の雪は地域が指定した「雪捨て場」へ捨てることが基本です。それを知らずに隣家の敷地や道路に押し出してしまうと、トラブルのもとになります。
隣家の敷地へ雪を捨てるのは当然マナー違反なのでダメなのですが、道路へ捨てることは道路交通法違反になるおそれがあるので絶対にやめましょう。また、川へ捨てたり排水溝に落とすなどの行為もNGです。
雪国へ移住する際は、地域の雪かきマナーを役所などで事前に聞いておく必要があります。決まった場所以外に雪を捨ててはいけないことを、ぜひ理解しておきましょう。
除雪機や早朝の作業音による騒音トラブル
雪かきを劇的に楽にしてくれる「家庭用小型除雪機」ですが、早朝の始動音や排気音などが住宅街では騒音トラブルにつながる可能性があります。
また、除雪機だけでなく、スノーシャベルやスノーダンプでの雪かきであっても、静かな時間帯では作業音が気になるものです。とくに移住先が住宅密集地である場合、夜間や早朝の除雪作業はなるべく控えましょう。
屋根の落雪・融雪水による隣家への被害トラブル
屋根の雪が大量に落ちる「落雪」は、場合によっては隣家の車や植栽などを傷つけてしまうことがあります。また、克雪住宅に設置された屋根の融雪装置からの融雪水が、隣家の敷地に流れ込むことで、隣家の敷地が凍結したり排水不良となったりするなどの原因となることも事前に知っておきましょう。
住宅構造や落雪した際の雪の動きをあらかじめ把握し、落雪スペースを確保し排水ルートも整えておくことは、雪国移住でのマナーです。物件選びの際にはこうした点もチェック項目に入れておきましょう。
「雪かき」「雪下ろし」に関する個人向け補助金があるおすすめ移住先3選

それでは、「雪かき」や「雪下ろし」に関する個人向けの補助金が充実した、おすすめ移住先を3つ紹介します!雪景色が美しい雪国の移住先を検討中の方は、ぜひ参考にしてください!
【新潟県阿賀町】豊かな森林資源と阿賀野川の景観が魅力!
新潟県阿賀町(あがまち)は、豊かな森林資源と雄大な阿賀野川(あがのがわ)の風光明媚な自然景観が魅力の移住先です。人口約9️千人の阿賀町はコシヒカリの名産地としても知られ、地産地消のお米を存分に味わえます。また、約3万人の見物客が訪れる「つがわ狐の嫁入り行列」は、必見の一大イベントといえるでしょう。
新潟県阿賀町では、自力で除雪が困難な65歳以上の高齢者のみ世帯や母子世帯の方に対し、除雪費として支払った金額に対し、40,000円を限度に助成してくれます。日本随一の米どころ・新潟県での雪国移住先として、阿賀町をぜひ検討してみてください!
参考:【新潟県】阿賀町へ移住!風光明媚な阿賀野川と森林資源・3万人が訪れるイベントや手厚い子育て支援は必見!
【岐阜県飛騨市】北アルプスの自然と日本古来の伝統文化が融合!
全国的な知名度を誇る有名観光地「飛騨・高山」の一角である岐阜県飛騨市(ひだし)は、北アルプスの大自然と、日本でも有数の伝統文化が体験できるおすすめ移住先です。観光地としての側面が強調されがちな岐阜県飛騨市ですが、地方移住先としても評価が高く、宝島社の月刊誌『田舎暮らしの本』の大人気企画「2025年版 住みたい田舎ベストランキング」において、全部門で上位に選ばれています。
岐阜県飛騨市では、「雪国デビューパック補助金」として、除雪道具やスタッドレスタイヤ購入費用に対し補助金を給付するなど、雪国ならではのユニークな支援も魅力です。北アルプスの絶景と日本古来の伝統文化を体験したいという方は、ぜひ岐阜県飛騨市へ移住を検討しましょう!
参考:【岐阜県】飛騨市へ移住して北アルプスの自然と伝統文化を体験しよう!「住みたい田舎ランキング」全部門上位の魅力に迫る
【長野県栄村】信州・長野の大自然で叶える究極の田舎暮らし!
長野県北東部、新潟県と群馬県の県境に位置する栄村(さかえむら)は、人口約1,500人の移住先です。2,000m級の山々と千曲川(ちくまがわ)といった圧倒的な自然を背景に、「究極の田舎暮らし」が実現できる移住先として注目を集めています。夏は川遊び、冬は温泉にスキーなど、信州・長野の大自然を存分に満喫できる移住先といえるでしょう。
長野県栄村では、屋根に積もった雪を地面に落とす「雪下ろし」の負担を軽減する「克雪住宅」の新築や改修・増改築に補助金を給付しています。雪下ろしの負担がかなり軽減されるので、非常にありがたい支援といえそうですね。これ以上ないであろう、山と川の究極の田舎暮らしをしてみたい方は、ぜひ長野県栄村がおすすめです!
参考:【長野県】栄村移住で叶える究極の田舎暮らし!移住者増全国3位の移住先で自然と共生したライフスタイルを実現
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「雪かき」のやり方やマナーを知って雪国への移住を検討しよう

雪国への移住に興味がある方にとって、「雪かき」は決して避けることのできないものです。今回は、雪かきをしたことがない方を対象に、「雪かき」とはどのようなものかを多角的に解説してきました。さまざまな道具を駆使すれば、「なんとかなるかも」と感じていただけたのではないでしょうか?今回紹介したおすすめ移住先を中心に、ぜひ美しい日本の雪景色を体験してみてください。
「雪かき」のやり方やマナーを知って、ぜひあなたも雪国への移住を検討しましょう!
※内容は2025年10月執筆時のものです。



