高齢化社会が進む現代において、「高齢者の移住ニーズ」は急激に高まっています。これまで大都会でバリバリ仕事をしたあと、余生をおだやかな場所でのんびりと過ごしたいという方が非常に多いのです。しかしながら、若者に人気で移住先として暮らしやすい街と、高齢者が日々を暮らしやすい街はまったくちがいます。
一般的に流布された移住情報を鵜呑みにして移住すると、思わぬ落とし穴があるかもしれません。そこには、高齢者が求める「快適さ」や「暮らしやすさ」が抜け落ちてしまっていることも少なくないのです。もちろん、人は必ず歳をとるものですから、現役世代の方であっても、老後を見越して今から情報収集しておいたほうがいいのはいうまでもありません。
今回は、「高齢者が住みやすい街」をテーマに、高齢者にとって住みやすい街の条件や、避けたほうがいい移住先、宝島社の月刊誌「田舎暮らしの本」『2025年版 住みたい田舎ベストランキング』より、高齢者向けおすすめ移住先を紹介します!
高齢者の地方移住こそ、事前の情報と正しい知識が重要です。ぜひ最後までご覧ください!
高齢者が住みやすい街の条件とは?

まずは、高齢者が住みやすい街の条件を5つ解説します!これらの条件を満たす移住先であれば、移住生活を存分に満喫できるはずです。ぜひご覧ください!
最寄りの医療機関へのアクセスの良さ
高齢者にとって、最寄りの医療機関へのアクセスの良さは何より重要です。徒歩圏内にクリニックや総合病院があれば、少しでも体調が悪くなった時点で早めの通院ができます。
専門外来や救急対応の有無も生活の質を大きく左右するため、医療体制がきちんと整い、かつ、身近な場所にある移住先を選びましょう。
公共交通機関やその他の移動手段が整っている
バスや電車の本数が多く、近隣主要都市へスムーズにアクセスできる移住先は、高齢者の外出を強く支えてくれます。免許返納後の移動に困らないことは、とても大きな安心材料といえるでしょう。
また、シニア向けの乗り合いタクシーや移動支援サービスなど、シニア向け支援をおこなっている自治体も多々あります。公共交通機関の利便性に加え、これらの支援サービスが充実した移住先であれば、より快適に暮らせるのでおすすめです。
買い物施設や行政施設などが近く生活利便性が高い
スーパーやコンビニ・ドラッグストア、市役所(支所含む)、金融機関などが徒歩圏内に集まっている移住先であれば、毎日の生活がスムーズに進みます。買い物やちょっとした用事でも気軽に出かけられる距離感であれば、高齢者にとってアクティブな暮らしが実現し、無理なく健康的な日常生活が送れるようになるはずです。
そのため、これらの施設が集積した「コンパクトシティ」は、高齢者の移住先としておすすめの1つといえるでしょう。
参考:徒歩や自転車で暮らしが完結!「コンパクトシティ移住」におすすめな移住先3選!移住先選びのポイントも解説
気候がおだやかで暮らしやすい
冬の寒さや積雪、夏の極端な暑さが少ない地域は、体への負担も少なく過ごしやすいため、高齢者の移住先選びにおいて非常に重要です。高齢者は気温差による体調変化が出やすいため、1年を通して気候が安定した街を選びましょう。
過ごしやすい気候であれば外出頻度が上がり健康維持にもつながるため、とくに大事なポイントといえそうですね。
高齢者向けの支援やサービスが充実している
見守りサービスや移動支援、シニア向けサークルや交流イベントなど、高齢者を支える仕組みが整っている移住先は安心感がちがいます。困ったときに相談できる窓口が近くにあるだけでも、移住後の不安が大きく軽減されるため、これら支援の充実度もチェックしておきましょう。
地域全体で高齢者を支える体制が充実した移住先を選ぶことは、満足度の高い移住生活の実現に不可欠といえるのです。
高齢者が避けるべき街の特徴3選

つづいて、高齢者が避けるべき街の特徴も3つ解説します!これらの街は高齢者にとって思わぬ不便さを強いられてしまうため、避けたほうが無難です。こちらもあわせて参考にしてください!
急な坂道や階段などが多い移住先
急な坂道や階段などが多い移住先は、毎日の外出に大きな負担となります。とくに、買い物や通院のたびに上り下りする生活は、体力的にも精神的にも疲れが溜まりやすく、外出頻度が下がってしまうため注意が必要です。
また、急な坂道や階段などがあると雨の日は滑りやすく、転倒のリスクも高まります。移住後の暮らしを安全につづけるためにも、なるべく平坦で移動しやすい環境を選びましょう。
24時間救急医療や専門医療へのアクセスが弱い移住先
夜間に体調が悪くなった場合、すぐに受診できない移住先は高齢者にとって不安が大きいものです。そのため、24時間救急医療が整っていない移住先は避けたほうがいいでしょう。
また、高齢者にとって、循環器や整形外科といった専門医療はかなり重要です。総合病院をはじめ、専門医療へのアクセスに時間がかかる移住先も避けたほうが無難です。
高齢者のコミュニティが希薄な移住先
シニア層の交流の場が少ない移住先では、移住後に孤立してしまう可能性が高くなります。地域で生まれ育っていない移住者であればなおさら、高齢者のコミュニティが稀薄な移住先は避けましょう。
移住前に役所へ問い合わせ、高齢者向けサークルやイベント、近所付き合いが活発であるかどうかなどを確認しておくことが重要です。
「住みたい田舎ベストランキング」から抜粋!高齢者が住みやすい街5選!

それでは、宝島社の月刊誌「田舎暮らしの本」の大人気企画『2025年版 住みたい田舎ベストランキング』より、「シニア世代部門1位」に輝いた、おすすめ移住先を5つ紹介します!これらの街は高齢者にとって手厚い支援や暮らしやすさが確保されているため、ぜひおすすめです!
【大分県豊後高田市】“最強の移住地”はシニア世代にも恩恵が盛りだくさん!
大分県豊後高田市(ぶんごたかだし)は、各種移住支援が全国屈指で充実し、“最強移住地”の呼び声が高い超有名な移住先です。2024年度には186項目にもおよぶきめ細やかな支援が実施され、毎年多くの方が実際に移住しています。
高齢者向けの支援では、75歳以上が対象のシニアカー購入・レンタル費用補助に加え、3種類の乗合タクシーなど、超充実の支援が魅力です。また、各種サークルも充実しており、シニア世代にとっても、まさに“最強移住地”と呼ぶにふさわしい、充実した暮らしが可能な移住先といえるでしょう。
参考:【大分県】豊後高田市が「最強の移住地」か?「住みたい田舎ランキング」4年連続全国4冠!圧倒的移住支援の田舎暮らし!
【鳥取県倉吉市】温泉と風情ある町並みの“暮らしよし”な移住先!
鳥取県倉吉市(くらよしし)は、温泉と風情ある町並みが魅力の移住先です。“暮らしよし”といわれるほど日々の暮らしがしやすく、高齢者であっても移住生活を大いに満喫できるでしょう。
シニア世代の支援では、「くらよし介護支援ボランティア制度」が好評です。65歳以上の方が介護保険施設などでボランティアをおこなうと、活動時間に応じてポイントがもらえ、翌年度に換金できる仕組みとなっています。ボランティア活動を通じた健康増進に加え、ちょっとした収入にもなるため、注目の取り組みといえそうですね。
参考:【鳥取県】「暮らしよし」倉吉市へ移住!便利な市街地に自然・歴史・子どもの遊び場などが充実の超有望な移住先!
【大分県宇佐市】シニア世代のコミュニティが超充実!九州の“USA”
大分県宇佐市(うさし)は、「宇佐神宮」で有名な移住先です。市内には宇佐神宮をはじめ見どころも多く、県内有数の観光都市としても知られています。おでかけスポットが多いため、高齢者にとって重要といえるアクティブな移住生活が可能です。
宇佐市では、シニア世代向けのコミュニティがかなり充実しており、ものづくり教室やゲートボール大会、運動教室、認知症・介護予防教室、ふれあいサロンなど、市内各地で実施しています。また、温泉が9か所もあるため、日常的に温泉を楽しめることもおすすめポイントです。気候も温暖なため、ぜひ大分県宇佐市も移住先候補として検討してみてください。
参考:【大分県】宇佐市へ移住!「住みたい田舎ベストランキング」全部門1位または2位!「USA」の魅力を徹底解説!
【愛媛県今治市】島々の景色を眺めながら温暖な瀬戸内でのんびり移住生活!
愛媛県今治市(いまばりし)は、瀬戸内海沿岸のおだやかな海と温暖な気候が魅力の移住先です。「今治タオル」と「造船」が有名な海事都市であり、広島県尾道市を結ぶ「しまなみ海道」は、サイクリストの聖地として世界的な知名度を誇ります。
今治市においても高齢者向け支援はもちろん充実しており、「見守りサービス」や、お茶会・体操・スポーツ・レクリエーションをおこなう各種サークルが地域ごとに設置されています。温暖かつ瀬戸内海に浮かぶ島々の景色が癒しをもたらす愛媛県今治市も、高齢者にとって注目の移住先としてぜひおすすめです。
参考:【愛媛県】「住みたい田舎」全部門1位の今治市へ移住!しまなみ海道の絶景は必見!魅力を徹底解説!
【山口県下関市】絶景スポットや観光地・グルメも超充実の便利な中核市!
山口県下関市(しものせきし)は、本州最西端に位置し三方を海に囲まれた移住先で、抜群の自然環境と発展した市街地が特徴です。今回おすすめした移住先のなかで唯一、新幹線停車駅があることも魅力といえます。歴史スポットや絶景スポットが数多く存在し、「ふく(フグ)」に代表されるグルメも魅力といえるでしょう。
下関市には、基本的な高齢者向けサービス以外に、配食サービスや介護用品支給、日常生活用具の給付といった支援が充実しています。歴史スポットをはじめ見どころの充実と、新幹線を利用した遠出がしやすい環境は、アクティブに暮らしたい高齢者向けの移住先として、かなりの充実度といえそうですね。
参考:【山口県】本州最西端・下関市へ移住!都市・自然・歴史がハイレベルに調和した海峡の街は便利で快適な暮らしが魅力!
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高齢者にも住みやすい街を知って移住を検討しよう

今回は、「高齢者が住みやすい街」をテーマに、その条件や避けるべき街の特徴などを解説してきました。
いわゆる「人気の移住先」は、おもに現役世代向けに紹介されていることがほとんどのため、これらは高齢者にとっても住みやすい街とは限りません。公共交通機関の充実や医療体制の充実、各種福祉支援の充実など、より暮らしに直結した課題を解決してくれる街である必要があるのです。高齢者が安心して暮らせる移住先について、具体的なイメージができたのではないでしょうか?
高齢者にも住みやすい街を知って、ぜひあなたも移住を検討しましょう!
※内容は2025年11月執筆時のものです。



