移住コラム

テレワークで進む地方移住。自治体による支援制度や移住時のメリットと注意点を解説

コロナ禍でテレワークが増加し、地方移住を検討する方もグッと増えました。しかし、地方への移住となれば、やはり慎重になってしまうものです。そこで今回は、テレワークを伴う移住に関するメリットやデメリットをまとめました。

テレワーク移住が増えている理由やテレワークの現状、おすすめの移住先なども解説しています。現在、テレワークをしていて移住を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

テレワーク移住を取り巻く現状

最近ではコロナ禍の影響もあり、テレワークをする人が増えています。それにより、地方の移住希望者も増えているのが現状です。以下で、テレワーク移住を取り巻く現状について詳しく見ていきましょう。

テレワークが地方移住の課題を打開

2014年、第二次安倍内閣により取り組みが始まった「地方創生」では、人口や産業が東京へ一極集中する現状を是正するため、補助金を交付するなどして地方移住を推進してきました。事実、地方への移住・定住願望をもつ人は年々増えつつある一方で、移住を阻む大きな要因が「仕事がない」という課題です。

この大きな課題の打開策として期待されているのが、時間・場所を問わず働けるテレワークです。総務省では2015年から総務大臣賞・テレワーク先駆者(百選)などを設け、企業や自治体のテレワーク導入・推進を後押しするなどの施策を行っています。

参考:新たなテレワークの推進に向けた方策
参考:テレワークの推進

コロナ禍によりテレワーク移住を望む人が増加

新型コロナウイルス感染症の流行は、私達の働き方を大きく変えました。2020年4月には、テレワークを実施していると回答した大企業は80%を超えるなど、テレワークという働き方が急速に広まりました。

それにより地方移住の人気も高まり、好きな土地で仕事をしたいと思う人が増えてきています。総務省が実施した国民意識調査において移住への関心をたずねたところ、コロナ禍前は「関心がある」と答えた割合は9.2%程度でした。しかし、現在では12.9%にまで上昇し、関心が高まっていることが伺えます。また、テレワークを週に1~3日している人では、関心があると回答したのが20.6%でした。テレワーク経験者の移住への関心度が高いのが分かります。

地方で休暇をしながら仕事を行う「ワーケーション・ブレジャー」に対する関心では、19.1%の人が関心があると回答しました。コロナ禍前に比べて2倍以上の数字となり、テレワークを週に1~3日している人にいたっては30.9%と約3人に1人が関心を持っています。

参考:総務省 令和3年 情報通信|白書デジタルで支える暮らしと経済
参考:令和3年度版 国土交通白書|第3節 多様化を支える社会への変革の遅れ コロナ禍による変化

テレワーク移住がおすすめな理由

テレワーク移住が進む現状が分かったところで、次はおすすめな理由を紹介します。

支援金や支援制度を利用できる可能性がある

移住する際にネックになるのがお金の問題ですが、テレワーク移住をする場合には「地方創生移住支援事業」など支援制度や支援金を活用できる可能性があります。地方創生移住支援事業は、テレワークなどで同じ仕事を継続して行う方も支援の対象です。

支援金は最大で100万円(18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は18歳未満の者一人につき最大30万円を加算)貰えるため、お金に不安がある方も移住のハードルが下がります。

参考:移住支援金

転職せずに地方移住ができる

テレワーク移住の大きなメリットとしては、転職をせずに地方移住ができる点が挙げられます。移住後も同じ仕事を継続して行えるため、仕事を探す必要はありません。また、慣れない環境で新しい仕事をするのはなかなか難しいですが、テレワーク移住ならそのような心配もなくなります。

家族との時間を大切にできる

テレワーク移住をする方の多くは、ほとんどの時間を在宅で過ごします。会社に通勤する時間がなくなるため、家族との時間を大切にできるのも大きなメリットです。仕事の時間も調整しやすくなるので、子供の学校行事やイベントにも積極的に参加できるようになるでしょう。

生活コストを下げられる

地方移住では場所を選ばず仕事ができるため、物価の安い土地へ移住をすれば生活コストをグッと下げられます。特に家賃は場所によって値段が大きく異なるため、家賃の安い地方に移住するだけでも毎月の支出を減らせるでしょう。

テレワーク移住の注意点

テレワーク移住には多くのメリットがある一方で、注意しなければならない点もあります。以下で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

子供の教育環境を整える必要がある

1つ目の注意点は地方移住の課題の上位にあがる「教育環境」です。移住先によっては学校が少ない、保育園や幼稚園が激戦区な場合もあるため注意が必要です。お子さんがいる家庭の場合には、移住先を検討する際に教育環境を必ずチェックしておきましょう。

会社への出社頻度を確認する

2つ目の注意点は、会社への出社頻度です。会社によっては週に1回、月に数回出社する必要があるところもあるため、通勤できないほど遠いと大変な思いをしてしまいます。こまめに通勤する必要があるなら、会社までの交通の便も必ずチェックしておきましょう。

電車だけでなく高速道路、新幹線など公共交通機関が整っているところを選ぶのがおすすめです。年に数回など、ほとんど出社の必要がない会社の場合はそれほど気にする必要はないでしょう。

生活が不便になる可能性もある

3つ目の注意点は生活面についてです。移住後、しばらくは慣れない環境の中で生活をするため、周辺環境によっては生活が不便に感じる可能性があります。ただし、先に病院や買い物などの施設をチェックしておけば、後から困ることがありません。

移住先を検討する際は、周辺環境もあわせて確認しておきましょう。特に小さな子供がいる場合には、身近に買い物できる場所があると便利です。

同僚とのコミュニケーションが取りにくい

テレワークはとても便利なものですが、同僚とコミュニケーションを取る機会がグッと減ってしまう可能性があるでしょう。そのため、円滑な作業ができなくなったり、分からないことを聞けなかったりする場合もあります。

しかし、今はZoomなどでWeb会議もできるため、工夫をすればしっかりコミュニケーションを取りながらリモートワークが行えます。

テレワークにおすすめの移住先4選

テレワーク移住について詳しく分かったところで、次はおすすめの移住先を4つ紹介します。移住先を検討する際の参考にしてみてください。

都内へのアクセスが良い「長野県長野市」

1つ目のおすすめ移住先は長野県長野市です。県庁所在地の長野市は、都内へのアクセスが良好です。北陸新幹線を使えば東京まで約1時間半程度で行けるほか、夜行バスなども利用できます。

長野県では「信州リゾートテレワーク」と呼ばれるライフスタイルを提案しており、長野市内には遊びと仕事の両方が楽しめる施設「鬼土間」があります。また、コワーキングスペース「CREEKS COWORKING NAGANO」などの施設も充実しており、自分らしい働き方ができるのも魅力です。

長野市は商業施設なども多く、周辺環境も十分に整っています。「UIJターン就業・創業移住支援事業」などの支援制度もあり、テレワーク移住におすすめです。

参考:信州リゾートテレワーク

ほどよい田舎感でゆったり過ごせる「群馬県桐生市」

2つ目のおすすめ移住先は、群馬県の東側に位置する桐生市です。桐生市には上毛線やわたらせ渓谷線などのローカル線が通っており、古くから残る文化財などもあります。山地も多いのでほどよい田舎感を感じながら生活できるのが魅力です。

また、大会議室・小会議室・和室・実習室・談話室などを備えたテレワーク施設「黒保根町交流促進センター」があるため、大事な会議や打ち合わせの際も快適に仕事ができるでしょう。

田舎感がありながらも下水道の普及率が高く、生活環境が充実しています。都内までは小山駅までローカル線で移動し、東北新幹線に乗れば2時間以下で移動できます。群馬県には「ぐんまな日々」などの移住支援サイトがあり、桐生市では「黒保根地域定住促進奨励金」などの支援金も用意されているので、ぜひチェックしてみてください。

参考:黒保根町交流促進センター 施設案内

観光地も多く楽しく暮らせる「福岡県北九州市」

福岡県北九州市は「第22回 テレワーク推進賞受賞企業及び団体」の促進部門で奨励賞を獲得しており、テレワーク移住に関する支援制度も充実しています。

大規模コワーキングスペース・創業相談窓口・シェアオフィス機能を備えた「COMPASS小倉」、「お試しサテライトオフィス事業」など、テレワークを支援する設備や制度が多いのも特徴です。移住体験をして地域の雰囲気を知ることができるお試し移住も行っています。

都内までのアクセスは、北九州空港から羽田空港まで約1時間30分です。北九州市は博物館や九州鉄道記念館、海など観光地も充実しています。仕事はもちろん、楽しく暮らすことに重点をおきたい方はぜひチェックしてみてください。

参考:COMPASS 小倉

豊かな自然で伸び伸び暮らせる「北海道北見市」

北海道北見市は福岡県北九州市と同じく、「第22回 テレワーク推進賞受賞企業及び団体」の促進部門で奨励賞を獲得しています。雇用補助金をはじめとした手厚い支援でIT企業の誘致活動を積極的に行ったり、コワーキングスペース・シェアオフィス・宿泊施設を備えた「KITAMI BASE(キタミ ベース)」など、魅力的な取り組みを行う街です。

世界遺産の知床からも程近く豊かな自然の中でゆったり暮らしながらテレワークをしたい方におすすめの移住先です。

都内までのアクセスは、北見市内から車で40分程の距離にある女満別空港から羽田空港まで約1時間50分です。飛行機でも比較的遠いため通勤頻度が高い方には不便に感じますが、それだけたくさんの魅力もあるでしょう。北海道ならではの美味しい海の幸も楽しめるため、食べるのが好きな方もぜひチェックしてみてください。

参考:OKHOTSK VALLEY

テレワーク移住で気軽に地方へ移り住もう

今回はテレワーク移住のポイントや注意点、おすすめの移住先などを紹介しました。テレワーク移住は生活コストを下げながら、好きな土地で仕事ができるのが大きなメリットです。新しい仕事を探す必要もなく、テレワークの頻度が高い方なら比較的気軽に移住ができます。

また、支援金や支援制度が充実しているのも大きな魅力です。近年ではコロナ禍でテレワークの導入が進められている中、地方移住への注目も年々高まってきています。現在、テレワークをしている方はぜひ本記事を参考にしながら移住を検討してみてください。

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