移住コラム

移住先で新居を。後悔しないための土地探し・土地決めのポイント

移住先で新居を建てたいと考えている方にとって、土地探しは最初の課題となるでしょう。しかし、初めて土地探しをする方は、何を基準に選べばよいのか分からないはずです。

そこで今回は、移住後の暮らしに満足できるよう、土地探し・土地決めのポイントを解説します。土地にこだわることで、生活に不便を感じたり後悔したりすることがなくなります。

また、新居を建てたときにもらえる補助金や、土地探しに役立つ情報源も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

後悔しない土地探しのチェックポイント

家を建てるなら土地探しはとても重要です。家を建ててから後悔しても、賃貸物件のように簡単に引っ越すことはできません。

後悔しないためにも、以下4つのポイントは必ずチェックしておきましょう。

  • 通勤・通学に不便はないか?
  • 安心して暮らせる環境か?
  • 土地の大きさや形に問題はないか?
  • 災害レベルは大丈夫か?

それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。

通勤・通学に不便はないか?

毎日の通勤・通学が不便であれば、ストレスや負担がかかります。移住したことを後悔する恐れすらあるので、利便性の高い土地を選ぶことが重要です。具体的には、会社や学校に行くまでにかかる時間、電車やバスなど交通機関の充実性、さらに車通勤の場合は道路の混雑状況も確認しておくとよいでしょう。

また、幼稚園や小中学校の場所、学区の確認も必須です。距離的には小学校のほうが近くても、学区的には違う小学校になるケースもあるので、子供にとって通いやすいかどうか見極めてあげましょう。

安心して暮らせる環境か?

騒音や悪臭、治安に問題はないか、この辺りも必ず確認しておくべきポイントです。立地条件がよくても、周辺環境が悪ければ安心して暮らせません。

場合によっては、健康や精神面にも影響を及ぼす可能性もあります。調べるだけでなく、その土地で移住体験してみたり近くの宿に宿泊してみたり、実際に見に行ってみるとよいでしょう

また、将来を見据えておくことも大切です。例えば、数年後に土地開発が行われたり大型マンションが建設されたりする予定がある場合、周辺環境は大きく変わります。

今は静かでも、近い将来には騒音トラブルに巻き込まれる可能性もあるでしょう。5年後10年後と、長く安心して暮らせるかどうか、確認しておくこともポイントの1つです。

土地の大きさや形に問題はないか?

土地を探すうえで、大きさもまた重要です。土地のサイズ次第で、建物の大きさや駐車場、さらには畑やガーデニングを楽しむスペースの確保が可能かどうか決まります。必要な坪数はどのくらいなのか、事前に決めておくことで、坪数が足りないというトラブルを防げます

また、売り出される土地は、正方形や長方形の整形地が多いイメージですが、なかには三角形や台形など整形されていない土地もあります。整形地は無駄なくスペースを活用できるので人気です。一方、整形されていない不整形地は建物の形や間取りが制限されやすいので、不便に感じる恐れがあります。

ただし、プランニングの工夫次第でカバーすることもできるので、必ずデメリットになるともいえません。不整形地もOKとすれば選択肢も増えるので、条件に合う土地を見つけられる可能性が高まります。

災害レベルは大丈夫か?

日本は自然災害が多い国なので、住むエリアによっては常に危険と隣り合わせとなる可能性があります。安心して暮らせるよう、地震・地盤・災害などの危険度を把握した上で選ぶようにしましょう

調べる方法としては、国土交通省や防災科学技術研究所が提供しているツールを使うのがおすすめです。地震の危険度を知りたい場合は「J-SHIS 地震ハザードステーション」、地盤を確認したい場合は「地盤安心マップ」を確認してみてください。また、身のまわりの災害リスクを調べたい場合は、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」を利用すると便利です。

地盤が弱い土地は、地盤に人工的な改良を施して安定性を保つ「地盤改良」が必要になります。地盤改良は工事方法や面積によりますが、数十万円はかかるので、費用を抑えたい方は地盤が良好な土地を選ぶのもポイントです。

覚えておきたい土地探しの心得

土地にこだわり過ぎると、一向に決まらず移住計画が長引いてしまいます。来年の予定が再来年、その翌年……となり、次第に移住への興味すら薄れてしまう可能性も。

そこで、移住を計画的に進められるよう、土地探しの心得を紹介します。「あの土地にしておけばよかった」という後悔を防げるため、ぜひ参考にしてみてください。

100%の土地はない!と妥協することも大切

周辺環境や地形、道付きなど人それぞれ理想とするものがあるでしょう。土地を探すなかで、「立地条件はよいけれど、地形はイマイチ…」と条件に合わないこともあるはずです。しかし、すべての希望を叶える土地を見つけることは難しいため、100%理想の土地はないと割り切ることも大切です。

まずは、土地に求める条件として、妥協できるものと譲れないものを分けてみましょう。譲れない条件順に優先順位を付けておくと、より判断しやすくなります。また、プランニングでカバーできないか検討してみるのもおすすめです。

慎重になり過ぎるとタイミングを逃す

土地もまた、人との出会いのように運命的なものもあります。慎重になり過ぎた結果、いいなと思っていた土地が、売れてしまったというケースは意外と多いものです。タイミングを逃し続ければ、土地探しは長引き苦労することでしょう。

ある程度の条件に合う土地を見つけたら、それもタイミングだと思い、決めてしまうのも1つの方法です。それ以上、好条件の土地が見つかる保証はないですし、他の人に購入されてしまうかもしれません。条件のよい土地はすぐに売れてしまうので、タイミングを逃さないようにしましょう。

住宅を取得するともらえる移住支援(補助金)について

移住者が住宅を取得すると、移住支援として補助金がおりることがあります。補助金がおりれば、その分、建物にお金を回すことも可能です。

対象となる条件や補助金額など、事前にチェックしておきましょう。

東京都からの移住で、移住支援金100万円補助

東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外へと移住する際に利用できる支援制度です。東京圏の一極集中と地方の人口減少、この2つの課題を解決するため、国の財源を元に各自治体で取り組まれています。

移住支援金として、対象者には最大100万円(単身の場合は60万円)が支給されます。地方への移住を検討している方にとって、魅力的な支援制度といえるでしょう。

ただし、意点もあります。1つ目は、対象となるのは一部地域を除いた全国のため、移住先によっては受け取れない場合もあります。そして2つ目は、移住した後は指定する中小企業への就業、もしくは地域で社会的起業をすることが条件です。

東京23区に在住または通勤中の方は、ぜひチェックしてみてください。

参考:地方創生「移住支援金」

住宅ローン「フラット35」が金利を引き下げて移住を応援

フラット35とは、勤務形態や勤続年数などの制限が少なく、フリーランスや自営業の方も利用しやすい住宅ローンです。また、全期間固定金利なので、返済額が変わらないところも特徴の1つです。

フラット35にはいくつかのプランがあり、その中のひとつに地方公共団体とともに地方移住者の住宅取得を応援する「地域連携型」があります。

【フラット35】地域連携型とは、子育て世帯や地方移住者等に対する積極的な取組を行う地方公共団体と住宅金融支援機構が連携し、住宅取得に対する地方公共団体による補助金交付などの財政的支援とあわせて、【フラット35】の借入金利を一定期間引き下げる制度です。

引用:【フラット35】地域連携型

住宅ローンを組む予定がある方は、一度検討してみるとよいでしょう。

土地を無償で提供する自治体もある

一定の期間その土地に移住すると、土地を無償で譲渡する自治体もあります。実施している自治体の一部を、以下の表にまとめました。

実施している自治体 詳細
茨城県常陸太田市 定住促進住宅用地を2年無償貸付し、常陸太田市定住促進住宅用地譲渡契約を締結した後に土地を無償で譲渡。
参考:常陸太田市
岐阜県本巣市 6年間の無償貸付期間を経て、住民登録および入居状況等確認後、宅地を無償譲渡。
参考:本巣市
石川県穴水町 貸付申請書により申込み後、審査委員会で貸付の適否について審査。該当者と穴水町定住促進団地宅地貸付契約を締結した後に宅地を無償分譲。
参考:穴水町
秋田県南秋田郡大潟村 住宅を建築し、12年間居住すると宅地を無償で譲渡。
参考:大潟村情報発信者入村事業
参考:大潟村情報発信者入村事業の概要
宮城県七ヶ宿町 住んで20年後に、家と土地を無償で譲渡。
参考:七ヶ宿町定住のススメ

自治体によっては、40歳以下の夫婦や中学生以下の子供がいる家庭など、対象条件を設けているところもあります。該当するかどうか、必ず確認しておきましょう。

また、土地の取得費用は広さや周辺環境にもよりますが、少なくとも数百万円はかかるものです。その土地代が0円になれば、憧れのマイホームも現実味を帯びてくるでしょう。具体的に移住先を決めていないのであれば、土地の無償提供を行っている自治体に的を絞って検討してみるのもおすすめです。

移住のための土地情報はどこで収集する?役に立つ情報源3選

移住を目的にした土地探しの場合、不動産サイトから情報を集めてよいのか迷うことでしょう。おすすめは、移住のための土地探しに特化したサイトです。その土地の情報や支援制度なども一緒に確認できて便利です。

今回は、役に立つ情報源として3つのサイトを紹介します。土地を探す際には、ぜひ参考にしてみてください。

移住先が絞れていないなら「ニッポン移住・交流ナビ JOIN」

日本全国の自治体や企業から寄せられる、イベントや仕事などの情報を集めたサイトです。各地域の魅力や特徴についても詳しく書かれているので、移住候補地を絞れていない方にもおすすめです。

土地探しに関する情報は、ニッポン移住・交流ナビ JOINの「空き家情報」から探せます。基本的には空き家を紹介しているので、建物を取り壊して新築を建てるのはもちろん、リフォームも視野に入れている方にとっても参考になるでしょう。

参考:ニッポン移住・交流ナビ JOIN「空き家情報」

田舎暮らしに憧れているなら「田舎ねっと.日本」

田舎物件や古民家、土地などの情報を発信し、田舎暮らしをサポートするサイトです。田舎暮らしの注意点や物件の選び方などもあわせて紹介しているので、田舎に住んだことがない方にとって有益な情報を集められます。

自然に囲まれた中で過ごしたい方や自給自足生活に憧れている方におすすめです。

参考:田舎ねっと.日本

すでに移住先が決まっているなら、各自治体の「公式移住サイト」

人口減少の課題を解決するため、移住支援に取り組む自治体は多くあります。各自治体では公式の移住サイトを立ち上げ、住まいや仕事、子育てなどに関する情報を発信しています。

「〇〇県 移住」と検索すれば、公式移住サイトが出てくるのでチェックしてみてください。自治体によっては、独自で行っている支援制度もあるので、あわせて確認してみるとよいでしょう。

理想の移住を叶えるために、土地探しにもこだわろう

理想の移住を叶えられるかどうかは、土地探しもポイントの1つです。たとえ理想の家を建てられても、立地条件が悪ければ、日々の生活に不満をもつでしょう。しっかりポイントを押さえて選ぶことで、自分にとって理想とする移住生活を叶えられるはずです。

また、移住者向けの住宅取得にかかわる支援制度もあります。該当する場合は、最大100万円の支援金が支給されたり住宅ローンの金利が引き下げられたりするので、支援を受けた分、住宅資金に回すことも可能です。

土地探しと一緒に、支援制度も確認しながら、憧れの移住生活を実現しましょう。

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