移住者インタビュー

【前編】移住の“先輩”インタビュー 漠然と思い描いていた「移住」を実行した、ひとつのきっかけ|宮本将弘さん(東京→長野県安曇野市)

移住インタビュー:宮本将弘さん

新たな暮らしを始めるにあたって移住先を探す人、土地に心惹かれて移住を決意する人、ライフワークバランスを取るために多拠点生活を送る人……「移住」といっても、移住を考え始めたきっかけなどは人それぞれです。移住を実現した“先輩”たちは、どうやって現在の暮らしをスタートさせたのでしょうか。
今回話を聞いたのは、2021年11月に長野県安曇野市に移住した宮本将弘さん。「移住を考え始めてから移住を決断するまでには時間がかかった」と振り返る宮本さんに、移住を実行する決め手となったこと、移住準備で取り組んだことなどを聞きました。
先輩のエピソードを通して、移住の良いところ、大変なところ、(良い意味でもそうでない意味でも)実感した理想とのギャップなど、「移住のリアル」に触れてみましょう。

これからの人生を考えたときに浮かんだ、「移住」という選択肢

2021年末に移住されたとのことですが、いつ頃から移住を考えはじめたのですか?

2017〜2018年頃ですね。30代なかばに差しかかり、人生の折り返し地点を意識し始めたことで、「人生の後半をどうしたいか」を考える機会が増えて、「自然の中で暮らしたい」と思い描くようになったんです。僕も妻も登山やトレッキングが趣味で、休日にはよく山に出向いていて。自然の中でも、特に山や森に近いエリアで暮らしたいと考えて、早い段階から北アルプスのある長野県を移住先の候補にしていました。

移住前の登山の様子移住前に趣味の登山を楽しむ宮本さん。

移住を考え始めてから実現するまでに、4〜5年程度かかったんですね。移住するとなると、準備にも年数がかかるんでしょうか?

いや、具体的な準備自体は1年程度あればできると思います。ただ、僕の場合、移住したい気持ちはあるものの、しばらくは移住後の暮らしのイメージを具体的にイメージできなくて、なかなか踏ん切りがつかなかったんですよね。
特にひっかかっていたのが、仕事。僕は勤めていた企業で、事業マネージャーとして自社事業のマネジメントやウェブコンテンツの編集、企画推進に関わっていました。仕事自体はやりがいを持っていたのですが、オフィス勤務が基本なので移住するとなったら退職しないといけません。ですが、今までやってきたコトを生かして移住先で仕事を探すとなると、地方では難しそうとも感じていました。収入面のことを考えると、なかなか行動に移せなかったんです。

インタビュー中の様子仕事、収入面を考えるとなかなか移住に踏み切れなかったと語る宮本さん。

確かに、移住したいと思っても仕事面に不安を覚えて踏み切れないという人は多いですよね。宮本さんが移住に踏み切れたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

転機となったのは、コロナ禍によってリモートワークが一気に普及したことです。勤めていた会社でもリモートワークにガラッと切り替わりました。それで、1年間ほど在宅で仕事を続けたことで「オフィス勤務する必要ってないのでは?」と思ったんです。自分の仕事はオフィス勤務しなければできないというのは単なる固定概念だったんだ、と。2020年以降は、世間的にも完全リモートワークの求人も増え始めましたよね。世の中の変化を目の当たりにして、もしも仕事を変えることになっても、リモートワークでやっていけるのではないか、と思ったんです。仕事をどうするかに対する不安が軽くなったことで、改めて自分が「どんな暮らしをしたいか」を考えられるようになって、妻とも話し合い、「自然を感じられる、ゆったりと過ごせる場所で、好きなことをしながら暮らしていこう」と決め、移住の準備を本格的にスタートしました。

移住先の候補に何度も足を運び、移住後の暮らしを具体的にイメージ

現在は安曇野市にお住まいとのことですが、候補としていた長野県の中でも安曇野市に移住を決めた理由は何だったのでしょうか?

実は、当初の第1候補は松本市でした。リモートワークで仕事をすることを前提にしても、東京に出向かないといけないケースもあるでしょうし、東京は僕の人生の中で一番長い年月を過ごしてきたまちなので、プライベートで友人と会うことも考えたら、都内にアクセスしやすいエリアが良いのではと考えていたんです。あと、僕は愛知県、妻は三重県の出身なので、東海エリアにもアクセスしやすいところが良いな、とも思って。松本市なら特急電車を使って関東・東海どちらにもアクセスできるので、移住先にも適していると考えたんです。ただ、妻から「もっと郊外の、自然を感じられるところが良いんじゃない?」と言われて。

移住地と主要都市の位置関係図都内や、出身地へのアクセスのしやすさも移住エリアを決めるポイントに。

松本市でも、十分自然を感じられるような気もしますが…?

もちろん、東京都と比べたら山も近くて緑もたくさんあります。でも市の中心部だと大きな商業施設もあって栄えていて、良くも悪くも「都市」な感じがあります。妻から「せっかく移住するのに、これだと東京の暮らしとさほど変わらないよ」「やるからには理想を突き詰めようよ」と言われて、ハッとさせられました。それで、森や山に近いエリアで検討することになり、松本市の隣の安曇野市で物件を探し始めました。もともと移住したいと言い始めたのは僕だったのですが、いつの間にか妻が先導してくれていましたね(笑)。

頼もしい存在ですね(笑)。物件はどのように探したのですか?

まずネットで情報を集めて、それを参考に地元の不動産屋さんにアポを取ったり、自分たちだけで車でエリアを巡ったりしていました。せっかく移住するのなら持ち家が良いと思って、賃貸は早い段階で選択肢からなくなって、当初は中古物件に当たりました。ただ、いくつか内見してみて気づいたのですが、住み心地や「好き」と感じる部分を大事にすると、どうしてもしっくりこないことが多くて。中古物件をリフォームするのも考えました。でも、リフォーム費用と新築費用が大差ないとわかって、理想を突き詰めるならいっそ新築でログハウスを建てて山の麓に住もう!!と決めて、土地探しにシフトしました。家を建てた土地に巡り合うまで、だいたい50件くらい見て回りましたね。

インタビュー中の様子移住のための物件探しについて、奥様の理解や力添えが大きかったと語ってくれる宮本さん。

50件! 決して少なくない数ですよね。1日で回れる数も限られますし…。

そうですね、長野方面には本当に何度も足を運びました。大変ではありましたけれど、徹底的に下見して良かったと思っています。実際の暮らしを体験する良い機会になったというか。ただ足を運ぶだけでなくて、例えばホテルに泊まるときは地元のスーパーで買い物したり、まちなかを散歩してみたり。実際の暮らしを体験する機会になったと思っています。お金も時間もかかりますけれど、ミスマッチを防ぐためにも実際の暮らしを見据えて吟味することは、徹底的にやったほうが良いと思います。

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